若者たちは出会いたい

雑記
07 /27 2017

もう10年以上前のことだけれど、「ゲイの世界は洋服や家電製品を選ぶように人間関係も作られていく」と言った人がいた。

当時わたしは20代前半で、長くつき合ってきた彼氏と別れた直後だった。

周囲にゲイの友達もいなくて、30歳の彼が言うことの真意がよくつかめなかった。

その後mixiやらメンミクやらでゲイの友達(イロありなし問わず)作りをしていき、前の彼氏とのつき合いや別れを経験し、30も手前になる頃には彼の言葉が身にしみて理解出来るようになった。

初対面からの、値踏みのしあい。

「友達募集」といいつつ、容姿が好みのタイプとしか会わない。

最初にリアル(SNSで繋がっていた相手と実際に会うこと)するときは、お互いの容姿やスペックなど、カッコよさを値踏みしあい、品定めしあい、仲良くなったら得か損かを勘定にかける。

そしてどうしても頭の片隅に、色恋に発展するかどうかを考えてしまう。

恋人にせよ、友達にせよ、そういう風に人間関係が選ばれ、築かれていく。

掲示板やSNSがカタログなら、リアルで会うことはショールーム。

まさしく洋服や家電製品のように人が選ばれ、いらないものは切り捨てられていく。

みんなそうだから、ある程度お互いさまではあるのだけど、人気者とそうでない人は周囲にいる人たちの数が違うし、おのずとカーストが形成されてしまう。

そういう独特のいやらしさや残酷さを感じながらも、自分自身もついついそうやって人間関係を選択してきた。

「ああ、ゲイの世界って‥‥」

30手前になった頃、わたしもそんな風に思うようになった。

冒頭のゲイの人が言っていたのと、同じ年齢になっていた。

前の彼氏と別れて以降、「SNSと掲示板」以外の手段で友達関係を作るようになったり、イベントごとにも参加するようになって、考えも変わっていった。

優しい人にもたくさん出会うことが出来たし。むしろ人情に厚い部分もある。

ただ、若い子を見たりすると「あー値踏みしあってんな」と思うことも多い。

そりゃそうだよね。みんな「一に出会い、二に出会い」。

とにかく出会いを何よりも欲しているのだから。

色恋も大事だけど、みんなゲイの人間関係が欲しくて仕方ない。

だから出会いたい。

80年代前半の生まれのわたしと、90年代半ば生まれの若者では育ってきた環境も違う。

中高生ぐらいからSNSを駆使してゲイ同士出会ったりした人もたくさんいるだろうから、出会いに対する激しい渇望はないかもしれない。

またある程度、おとなたちのセクシュアリティに対する理解が進んできたりして、死ぬ気で隠さなきゃいけないっていう感覚も薄れてきている‥‥かもしれない。

同じ秘密を抱えた人と会いたい!っていう切実な欲求は、わたしたちほどではない‥‥がもしれない。

「かもしれない」ばかりなのは、大部分はそんなにわたしの青春時代と変わっていないと思うからだ。

切実に「出会いたい」と思うからこそ、ごく自然体の人間関係を築けない。

そういう若い人たちは、残念ながら少なくないと思う。

傷つく人たちは、これからもいるだろう。

世の中全体が変わらなきゃね。少しでも、生きやすい世の中になるように。

そういうのが、大人世代のつとなんだと思う。

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和江さん

30代シスジェンダー(?)ゲイ。

日本の片隅にひっそりと暮らしている。
お仕事は福祉系。


マドンナが大好き。


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