小さな世界の常識

雑記
07 /16 2010
お相撲の世界が賭博問題でガタガタ揺れている。
騒動の中心になった琴光喜なんかは、わたしの県の高校をでているので、
いわゆる「郷土のスター」なのでよけい気になるのだけど、
わたしがこの問題でとにかく怖いと思っているのは、「異常なことがふつうになっている」ことだ。

おそらくお相撲の世界では、野球賭博にかぎらずありとあらゆる賭博がごく当たり前に行われてきたのだろう。
中学や高校をでたばかりの子どもたちが、何も知らずにお相撲の世界にはいって、
先輩も親方もみんなみんな賭博を楽しんでいる中で、賭博を「いけないこと」と認識できたのだろうか。
処罰された力士をかばうつもりはないのだけど、逆に彼らだけを批判して終わる問題でもないと思うのだ。

同じようなことを思ったのは、昨年ののりぴーの逮捕騒動で話題になった芸能界の薬物汚染。
芸能界もお相撲の世界と同じく、まだ年端もいかない若い子がはいって業界の中で育っていく。
のりぴーもまだ思春期のころに芸能界に入り、大人から世間とは違う場所で育てられていった。
芸能界の薬物汚染は、明るみにでていない部分でかなり深刻だというし、
まだ精神的に幼い子どもたちが、裏で先輩芸能人が覚醒剤をごくふつうにやっているのを見て、
まわりも「バレないようにやればだいじょうぶ」と言っているのを聞いて、
はたして「覚醒剤はこわい。絶対にやってはいけない」と思うことができるのだろうか。

まあ、のりぴーの場合彼女自身がクスリに手をだしたのは結婚してからといわれているので、
かならずしも芸能界が悪いと決めつけるわけにもいかないのだけど、
それでも彼女が芸能界っていう異常な空間で育ってきたのは事実だし、クスリに手をだした
遠い要因と考えることもできるんじゃないかと思う。

でもこれは、芸能界とか角界とか、特殊な世界だけでおこる問題でもないような気がする。

具体的な例でいうなら、車のスピード違反とかがそうじゃないかな。
車の運転免許をもっていなくて、車の運転をまったくしない人に、
「スピード違反でつかまっちゃった」っていうと、
「安全運転しようよ~」とか「交通ルールは守らないとダメだよ」って答えが返ってくるだろう。

でも、日常的に運転している人に同じことを言ったら、
「わー、運が悪かったね」「あそこはネズミ捕りいるから、気をつけないとダメだよ」
とか、こういう風に答える人が多いと思う。

これは、運転する人と運転しない人に決定的な常識のちがいがあるからだ。
運転している人からすると、「規制速度ではしるなんて、迷惑な運転」っていう常識がある。
でも、運転しない人からすると「それって法律違反でしょ?」と思うのが当然だろう。

運転しない人や、車に興味のない人たちからしたら、日常的に法律違反が行われている
公道は、むしろ異常な世界に見えてくるのではないだろうか。
「ふつう」と「異常」なんて、立場によって簡単に変わってしまうのだ。

ここから下は、一部のゲイにとっては不快な内容になるかもしれないのを、あらかじめお断りしておく。


わたしが怖いなあ・・・・って思うのは、ゲイとノンケの常識のちがいなどだ。
ハッテンバでも乱交だったり、公園やトイレでのセックスだったり、(ごく一部の)ゲイにとっては
「ふつう」になってしまっているけれど、ノンケにとっては「異常」に見えることもあると思う。
こんなことを言うと「そういうのはゲイの文化。否定するのは差別だ」とか言うリブの人もいる。
でも、ハッテンバはともかく公園やトイレでセックスするのは、明らかに犯罪で迷惑行為だ。
それを「ゲイの文化」って言うのも、何か間違ってる気がするんだよなあ。

たった数年前まで、「合法ドラッグ」というものがゲイの間に蔓延していた。
いつの頃からか「脱法ドラッグ」といわれ、今では完全に違法薬物なのだけれど、
ほんの数年前まではゲイショップや通販で簡単に買うことができるものだった。
「BAdi」などのゲイ雑誌にも広告が出ていたし、「エッチの必需品」として紹介されていた。
エログラビアやポルノビデオにも、モデルが吸っているシーンがたくさんあった。

わたしは当時から「セックスに薬物をつかう」ことに対する抵抗があったから、
使ったことはないけれど、吸っている人を見たことは何回もある。
最近知ったのだけれど、以前付き合っていたバカ男もわたしに隠れて使っていたらしい。

「合法ドラッグ」と呼ばれていた時代から、クスリに対する忌避感を抱いていたゲイは多いだろう。
ただ、何も知らない人にとっては、「合法」とついているだけで安全なもののような印象を与えるし、
セックスに興味津々の若いゲイには非常に魅力的なものにうつったにちがいない。
ゲイの中に薬物が蔓延したのはいつのころかわからないけれど、年長(っていうより、経験の多い)のゲイが
ふつうに使っているのを見て、若い(あるいは経験の浅い)ゲイがどんどん「合法ドラッグ」に
走るようになったのではないか?と思う。

ハッテンバも野外セックスも、あるいは「合法ドラッグ」も、「ゲイの文化」って言ってしまえば楽だ。
でも、それは今よりも差別や偏見が多くて、閉鎖的な時代に育った文化ではないだろうか。
今は携帯電話がひとつあれば、ゲイの友だちと出会うことは簡単な時代だし、
わざわざ公園やトイレでセックスしなくても、車で入れるラブホテルだっていくらでもある。
ましてやドラッグなんて体にいい影響があるわけでもない。

偏見がじょじょに少なくなり、より開放的になった時代には、以前の閉鎖的で秘密主義的な「文化」は
かえって偏見を強めるだけではないかと思う。
セックスはあやしくて淫靡なのも魅力的ではあるけれど、法律違反ギリギリのところで楽しまなくてもいいだろう。

そう思うんだけれど、これはこれでわたしの一方的な決めつけなのかなあ~?なんてことも思う。
あまり自分の経験だけであれこれ言うのはよくないんだろう。
27年間、田舎のゲイカルチャーやゲイコミュニティとははるかに隔てられたところで育ち、
適当にカムアウトしてもこれといって反発も受けない中で生きてきた、わたし独特の価値観なのだ。

ただ、こういう価値観をもつゲイだって、案外多いんじゃないかな?とも思うので、
わたしがあえて言うことにも意味があるんじゃないかな・・・・・とか、う~ん、ようまとまらんのだけど。

何となくこんなことを書いてしまったのも、
わたしがハッテンバとか乱交とかに、「うーん、ちょっと・・・・」っていう態度を示したり、
「わたしは特定の彼氏がいた方がいいな」って言ったりすると、

「ゲイだからハッテンバ行かなきゃ!」とか「ノンケの恋愛の真似せんでも」みたいなことを言う人がいたからだ。
わたしはハッテンバや乱交に否定的であっても、それをしている個人は別に否定はしない(つもりだ)。
だから、わたしが乙女ちっくな恋愛(苦笑)を求めても、それを否定せんで欲しい。
ましてや「ゲイの文化」ってもっともらしい理由をつけなくてもいいと思う。

わたしはゲイである以前に、多少乙女ちっくなどこにでもいる男の子なのだ。
ゲイだからって、「ゲイの価値観」みたいなものに、どっぷり浸からなくてもいいだろう。

でも、そうはいってもやはり「対話」が必要なんだってことはわかる。
わたしはまだまだ知らないことがたくさんあるから、知らないといけない。

というわけで、話をにごして終わろうと思う。
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コメント

非公開コメント

面白いですね

本当ですね。常識って、時代だけじゃなくて、同じ日本で、この狭い中でも、それぞれ置かれた場所によって全然異なるのね。ここの常識は一歩だけ出ただけで非常識になる。
丁度自分が居心地が良い場所にたまたまいられたら良いけれど、運もありますね。
ゲイの常識に縛られず、Kazuccineくんらしい、乙女らしい?感覚を大切にしてください。

合法ドラッグ懐かしいですね。学生時代、2丁目の普通のお店で買えました。
でも、ただキツいアルコールっぽい匂いだけで、これで気持ちよくなれるとは思えなかったけれど。使ってる、ということにも気持ちが高揚するのかもしれませんね。

biancaさんへ

お久しぶりです。
よくも悪くも自分にとっての常識って、人から見ると非常識だったりすると思うんです。
だから、常識に対してはいつも疑問符をなげかける姿勢は忘れたくないですね。

ところで合法ドラッグに関してですが、この記事を書いてから調べてみたところ、
5meoなどはともかく、ラッシュはあまり人体に害もなく、規制するのはいきすぎという
意見もあるようですね。
そうはいっても歯が欠けるような話も聞いたことがあるので、自分が使いたいとは思いませんが、
何でもかんでも禁止されてしまうのはやはり問題があると思います。
使っているということに気持ちが高揚・・・・。なるほどなあ。
わたしはエッチな下着とかに高揚しますけどね。苦笑

世間では常識と闘うマイノリティなのに、同質のコミュニティだと今度は別の常識にとらわれてしまう不思議さを感じました。本当は人それぞれのはず。
でもこういう常識の入れ子構造みたいなものって、何にでも蔓延してますね…。全体的なイメージには気をつけていきたいです。

発想を逆転すれば、ハードなことを好むノンケだっているけど、ゲイの真似しよう!と思ってやってるわけじゃないですもんね。特に乱交みたいなのは同意が大事で無理に誘うのはナシだと思うけどなぁ。

「一対一の付き合いをしたいのに周りのゲイは遊び人か浮気者しかいない」という若ゲイの嘆きをきいて、ゲイの純愛好きやモノガミーはノンケ以上に大変だろうなと思ったことがあります。
なので乙女ちっくも応援しております(笑)

世間では常識と闘うマイノリティなのに、同質のコミュニティだと今度は別の常識にとらわれてしまう不思議さを感じました。本当は人それぞれのはず。
でもこういう常識の入れ子構造みたいなものって、何にでも蔓延してますね…。全体的なイメージには気をつけていきたいです。

発想を逆転すれば、ハードなことを好むノンケだっているけど、ゲイの真似しよう!と思ってやってるわけじゃないですもんね。特に乱●みたいのは同意が大事で無理に誘うのはナシだと思うけどなぁ。

「一対一の付き合いをしたいのに周りのゲイは遊び人か浮気者しかいない」という若ゲイの嘆きをきいて、ゲイの純愛好きやモノガミーはノンケ以上に大変だろうなと思ったことがあります。
なので乙女ちっくも応援しております(笑)

ronさんへ

お返事が遅れてごめんなさい。
そうなんですよ。固定観念に縛られるのがいやな人たちが、
結局別の固定観念に縛られているっていうか。
社会の規律に反して裏社会に入った人が、裏社会の掟には
意外と従順だったり・・・・って喩えは悪いかな?苦笑
「何事も人それぞれ」っていう考え方は、何に対しても大切だと思います。

乙女ちっくゲイは幸い、彼氏と乙女ちっくにやっておりますよ。笑

和江さん

30代シスジェンダー(?)ゲイ。

日本の片隅にひっそりと暮らしている。
お仕事は福祉系。


マドンナが大好き。


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