スポンサーサイト

スポンサー広告
-- /-- --
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

初雪

雑記
12 /15 2009
真冬の夕暮れどき、住宅地の道を犬をつれて歩く少年がいる。

今にも雪が降りそうな寒さの中、白い息を吐きながら歩いていた。

短く刈り上げた髪、3本ラインのジャージ。

年のころは中学2年生ぐらいだろうか。

でも、それより少し幼く見えてしまう。

ふっくらとした頬は、寒さのせいで少し赤くなっている。

少し浮かない表情なのはなぜだろうか。

学校で、家庭で嫌なことがあったのか。

子どもたちの日常も、楽しいことばかりじゃない。

嫌なことも、悲しいことも、辛いこともある。

元気のない少年に比べると、犬の方はたいそう元気で

少年は引っ張られるように歩いていった。


公園の近くを歩いているとき、少年は首筋に冷たいものを感じた。

少年はふいに上を見上げる。

無数の白い、わたのようなものが空から落ちてくる。

少年の頬はゆるみ出した。

にいっと歯を出して、たちまち満面の笑みになる。

「雪やぁっ!」

少年は公園に駆け出した。

犬はなにやらびっくりした様子で、少年のあとを追いかけた。


少年は公園の真中で、両手を空にむかって伸ばし

「初雪や!」と叫んだ。

真っ黒な瞳をきらきら輝かせ、少年ははしゃぎまわった。


彼はまだ知らない。

彼がこれからどんな人生を歩むかを。

どんな人と出会い、どんなことを経験するかを。

そんなことは彼にはどうでもよくて、そのときはただ初雪がうれしかった。

空からまいおちる雪のひとつひとつが、楽しくて仕方なかった。


憎らしいほどの明るい笑顔。

思わず抱きしめたくなる。

その笑顔がいつまでも、いつまでも消えることがないように。

僕は祈った。

心から祈った。
スポンサーサイト

コメント

非公開コメント

素晴らしい描写ですね~っ。
の少年の心の状況変化がこちらにまで伝わってきました。
ホント、ピュアな少年の心って美しいですよね。
そして何よりも、その心を読み取れるKazuccineさんの感受性には脱帽です。
「今という時間を大切に過ごしたい」と思わせる、素敵なお話でした。
感動しました。有難うございます。

Oserさんへ

ありがとうございます。
ポエムめいたものを書いてみようと思ったのは
色々と理由があるのですが・・・・。
今という時間を大切にしたいですね。

和江さん

30代シスジェンダー(?)ゲイ。

日本の片隅にひっそりと暮らしている。
お仕事は福祉系。


マドンナが大好き。


リンクフリー、トラックバックやコメント大歓迎です。

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。