妊娠中絶は権利です

シリアス
03 /16 2009
ブラジルで、9歳の少女に妊娠中絶手術をした医師と、
少女の母親が、教会から破門されたそうだ。
少女は義父に強姦された末に、妊娠してしまったらしい。
9歳という体では、体が未熟なために妊娠を続けると
少女の命も危なかったそうだ。
少女の命を守るために、医師は中絶手術を決断した。

アメリカ人いわく「中絶天国」の日本からすると想像できないけど、
キリスト教文化圏では中絶はとんでもない罪らしい。
特に、ブラジルのようなカトリック教国では、非常に忌まれているだろう。

少女の母と、医師を破門した大司教は
「強姦は大罪だが、中絶はそれ以上の大罪」と言っている。
わたしは思わず目を疑ってしまった。

カソリック教国のみならず、アメリカなんかでもクレイジークリスチャンが
熱心に中絶反対運動をやっている。
ひどい場合になると、中絶をした女性や医師を殺害する事件まで起きている。
「命が大事。って言うなら、医師や女性の命は大事じゃないのかな?」
っていうのが素朴な疑問なんだけれど、キリスト教徒にとっては
罪のない胎児を殺した方が罪深い行為なんだろう。

少女はどれだけ辛かっただろう。
義父に強姦され、妊娠させられ、中絶せざるを得ない状況に追い込まれ・・・・
挙句の果てに教会にまで見放され、人々から非難されないといけないなんて!
こんな残酷な所業、神様が許すんですか?って思う。

少し乱暴な言い方かもしれないけど、「中絶地獄」のキリスト教国に
比べたら「中絶天国」の日本の方がはるかにいいと思う。
中絶は決して「いいこと」ではない。
しかし、「産まない」という選択肢が保障されていることは、
はっきし言ったら世界に誇っていいことだと思うよ。

ただ、そんな日本にだって刑法に「堕胎の罪」という
恐ろしい、戦前のなごりの悪法がある。
アメリカのクレイジークリスチャンほどではないにしろ、
中絶反対を叫ぶ人は少なからずいる。

望まない妊娠のはてに出産するっていうことは、
その母親となる人の人生をぶっ潰すことだ。
安易に中絶を批判する人たちは、
胎児の命を守ることが出来るなら、
母親と子どもの人生はぶっ潰して構わないってことだろうか。

「命は何よりも大事」
そんなことは百も承知だ。
でも実際、自分の身に降りかかったとき、そんなことが言えるだろうか。

安易な中絶反対は、最低最悪の偽善だと思う。

わたしは中絶は権利として、いかなる場合であっても
絶対に保証されるべきだと考えている。
中絶を禁止することは、胎児に人権を与えるということになるし、
そうしたら母体を守るための中絶だって禁止することになる。
下手をすると、流産したことまで過失致死に問われるのではないか。

「強姦や、母体を守るための中絶はいいけど、避妊の失敗とかは禁止してもいいんじゃない」
そう言う人もいるんだけど・・・・
でも、それは胎児を差別していることになるんじゃないか。
妊娠の経緯はともかく、胎児には何の罪もない。
ようするに胎児だって「平等」なんだから。

わたしの意見の概略はこんな感じなんだけど、
以前似たようなことをmixiに書いたら中絶反対派の人に
すんごい攻撃をくらっちゃった。

いっとくけど、わたしは「中絶賛成派」なんかじゃない。
「中絶はいいこと」だなんて思ってもいない。
かなしいことであり、出来るだけ避けるべきことだと思う。
ただ、中絶の権利は権利として保障されるべきだって考えているだけだ。

でも、これがなかなか「中絶反対派」には伝わらない。
「中絶反対」以外の人は、きっと全員「中絶はいいことだ」とでも
言っているかのように思えてしまうんだろう。

「中絶より避妊を徹底して・・・・」っていう意見もあるのだけど、
避妊をしっかりやった上で、権利は権利としてあるべきじゃないか。
人間は失敗をしてしまう生き物だ。

ただ、理想は望まない妊娠で生まれてきた子どもでも、
行政やコミュニティが面倒を見てあげれる社会だと思う。
母親の人生も、決してぶっ潰れることもなく。
望まない妊娠をしてしまった女性と、ゲイやレズビアンのカップルが
協力したりとか・・・・。
そんなの絵空事なのかな?

理想には程遠く、いまだに望まない妊娠をする人もたくさんいる。
だからこそ、権利は権利として大事にされないといけない。

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コメント

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それはですねー、「キリスト教徒」にとって許せないことというよりは、「カトリック教会」にとって許せないことなんですね。
なぜかって言うと、人間が増える限り教会に従属させることができるからですね。もちろん、経済論理ですね。
そーして、人民は科学や理論に裏打ちされた生活より、なんだかよくわからないけど「教え」を守る生活の方が、教会にとっては都合がいいわけですね。支配しやすいわけですから。
要するに権力側の発想ですな。
こちらの正論は通じませんわよ。

そうですね~

感覚的にわかりにくいかもしれないんだけど、こういうことを言うのは教義に忠実なカソリックの指導者とアメリカに独特のキリスト教原理主義の人たちなんです。ほとんどのプロテスタントは中絶は悲しいけれども権利として認めざるをえないと考えているし、多くのカソリック信者もそう考えているんです。ただ、上でガミガミさんがおっしゃっているように、カソリック教会はピラミッド型の権力構造があって、自分達の考える教義を押し付けることで教会に付属する多くの権益を守りたいだけなんですよね。なので、わたしの友人達のカソリック信者は、自分の教会のドグマと自分が聖書などから導き出した倫理的価値観の差に悩んでいます。

カソリック教会はエイズが猛威を振るっているアフリカにおいても避妊用のコンドームの使用を認めていませんしねー。コンドームのせいで病気になるなんてトンデモ科学までぶち上げたりしているくらいですから。

まあ、要するに、カソリック教会にとってプロテスタントと自分達は違うんだと主張して自分達が優れていることをいうための材料は、聖書の戒律を正しく守っている、ソドムとオナンの犯した罪を繰り返させない、ということにあるからなのだろうと思います。

欧米で中絶をするためにはいろいろな手続きを踏まないといけないのは、ピルやコンドームが無料で配布されていたりして避妊に積極的に取り組んでいたりするってこともあるんじゃないかなあ。その辺は良くわかんないけど。

お久しぶりです

Kazuccineくん、お久しぶりです。なかなかこれなくてごめんなちゃい。

ブログを見るとしっかりと意見を書いていて、読み応えあったしいい意味でびっくり。あたしは最近こういうのは書いてないからなぁ。悩みで意識が向かないのかな、社会のほうに。

実は本当にこういう問題をずばり映画にしたものがあって、それはメキシコの映画だったんだけど、2,3年前のアカデミー賞の外国語映画賞にノミネートされていました。

あたしは最近その映画を見て、ものすごくショッキングだったんだけど、やっぱり中絶できる権利は必要よね。

もちろん教育、コンドームをつける、という啓蒙活動も必要だけど、実際に今、妊娠しておろさなければならないということになった場合、ブログのようにおろせないとなると女性が大変よね。

あたしもアメリカとかでおこっている現象は不思議でたまんないわね。

ガミガミさんへ

単に教義の遵守というよりは、権力構造の問題が大きく関与しているんでしょうね。
ここは中世以来の伝統もあるのだから、簡単に変えられるものではないでしょう。
しかし、それの犠牲になっていく人たちがいるのは許せません。
キリスト教自体は決して批判しないのだけど・・・・こんなこと神は望んでいないでしょうに。

eiさんへ

もちろんですが、多くのクリスチャンはまともな方ばかりということは
わたしはよく理解しているつもりですよ。
本当に一部のクレイジークリスチャンだけが行動を起こしていることも。
ただ、こないだの米大統領選挙を見ていると、クレイジークリスチャンの数と
影響力があまりに大きいので少し驚いてしまいました。
避妊も禁止、中絶も禁止というのは、アメリカの福音派も同じことやってますね。
公立学校で性教育が行われず、禁欲教育が行われてしまったために
多くの女子生徒が人生を潰してしまうという事態をまねいてしまったそうです。
基本的に、わたしは避妊と中絶はわけて考えるべき・・・・というよりは、
ごっちゃにして考えるのは避けるべきと思うのですが、日本ではピルの普及率が
低すぎるというのが問題だと思います。
中絶に保険がきかないというのも、問題なんですけどね。

Moonshineさんへ

あら、いつもホゲホゲした内容ばかり書いているわけじゃないですよ。笑
ゲイであるわたしに中絶の問題は、そんなに関りがないのかもしれませんが
女友達に何人も経験した人がいるので、ある意味身近なんです。
わたしは彼女たちが悪い人間だとは思えません。
理想は中絶などない世の中だけど、現実問題として中絶の権利がないと
不幸になってしまう人たちがたくさんいる。
中絶反対は、女性を「子どもを産むための道具」とみなす価値観から
来ていると思います。
男は「子どもを作るための道具」になりますよね。
中絶の権利が保障される社会は、ゲイにとっても過ごしやすい社会になるんじゃないかな・・・・
と、これはわたしの希望的観測なんだけど。

赤ちゃんは何も悪いことしてないのに殺されるためだけに生まれてくるんですよ?
胎児だから問題なしですか?
このような自己中心的な人が語る”権利”とは一体何なんでしょうか?

あさんへ

コメントありがとうございます。
>赤ちゃんは何も悪いことしてないのに殺されるためだけに生まれてくるんですよ?
>胎児だから問題なしですか?
問題なしとはいいませんが、胎児には人権はありません。
本文に書いてある少女の場合はどうなんですか?少女だって、無理に出産して死ぬために生まれてきたわけではありません。
わたしの意見は本文に書いてありますので、コメント欄での反論は控えますが、
感情論から「赤ちゃんかわいそう」で中絶禁止にしたら、妊娠した女性の人生を潰してしまいますよ。
もちろん、権利のない胎児の命を慈しむ優しさは大事にしなければいけません。
妊娠を避ける方法に関して、もっと真剣にならないといけないでしょう。
しかし、どうしても失敗してしまった時のための手段として中絶は保障されなくてはなりません。
自己中心的と仰りますが、病気や体質のために産めない体の人が、死を回避するために中絶するのが自己中心的でしょうか。
強姦されて出来た子どもを、産みたくないと思うことが自己中心的でしょうか。
望まない子どものために人生を潰さず、幸福な人生を歩むことが権利だと思いますが。
「自己中心的」などという思いやりのない決め付けをする人が、中絶する女性を傷つけているんですよ。

胎児を人とみなすかどうかですべてが決まる。
認めない日本ならば女性の経済的権利や選択権の行使にすぎないが人とみなす場合は殺人となる。
人とみなした場合中絶を許すことは嬰自殺を許すことと同様になる。

名無しさんへ

個人的には胎児を人と認めるのは無理だと思います。

初めまして

えーとね、待望の我が子が妊娠9周目で死亡してると言われたものです。私、中絶の経験はありませんが、死亡した我が子をお腹の中から出す行為は中絶行為と全く同じだそうです。
私には2人の出産経験があります。つまり、2人の子どもを少なくとも今現在まで育ててるわけです。子どもは愛しい。命は大事。中絶なんてマイナスの感傷しかない。
…私がこう言えるのは、私がいつも「産むべき立場/産みたい立場」にいるからです。想像外の妊娠なんて、それこそ想像以外のナニモノでもあって欲しくはない。
お腹の中でも細胞は脈を打っています。いのち、それはまぎれも無い事実。でも、出産してしまえば「1人の人間」です。保護し養育すべき人間です。私個人の考えではありますが、保護する事も養育する事も出来ない人間は出産すべきではない。それに達しない環境の人もどうこう言うべきでは無い。
1人の人間の人生に責任を持てないと最初からわかっているのなら、その責任に対して謝罪しつつも出来得る事をすべきだと思います。育てられない子は産んじゃ駄目。
人は、育てられてこそ、愛されてこそ人です。責任持てないやつは産むな。

ぐみぞさんへ

コメントありがとうございます。お返事が遅れてしまってごめんなさい。
貴重なお話を聞かせてくださってありがとうございます。
妊娠は一人の人間、すなわち一人の人生を授かることなのでとてつもなく重い出来事なんですよね。
それがたとえば、コンドームに穴が開いていたという理由でも起きてしまうにせよ。
現実には悲しいかな想定外ということがある。
中絶も一つの対処方法だと思う。
もう少し選択肢があれば、いいんだけどな‥‥とも思います。

はじめまして

どうも、クリスチャンをやっておる通りすがりのものです。
まず勘違いしておられるようですが中絶を禁止している教派はローマ・カトリックだけではございません。プロテスタントでも聖公会・福音派などの多数派プロテスタントは中絶反対派です。また私の属する正教会でも中絶者には厳しい措置を行っております。これらの主流キリスト教教派はマンハッタン宣言で世俗の法制度で容認されようとも教会はそれに従属しない旨を共同で声明しております。

中絶を各教派が禁止している理由は聖書の記述に準拠します。
むろん聖書の解釈は一通りではないにせよ記述から容認に解釈することはきわめて困難であります。聖書の否定はすなわちこれまでの教義の否定につながりますからまず聖職者は聖書にそぐわないことは一切否定するのが基本姿勢です。
また、普段から過激なことは口にしないにせよ、一般の信者の方々もおおむねこの姿勢です。これらの人々は「キリスト教右派」などと世俗の政治思想のように特殊な人々のように思われますが、世俗リベラリズムなプロテスタント系一部教派等を除いたらクリスチャン同士では普通の認識です。

それと気になったのですが、貴殿は胎児には人権がなく人として見なさないとしておきながら「胎児を差別してはいけない」と言っておられますが、人として見なさない、「単なる物体」とするのであれば差別するという概念すら存在しないのですがいったいどちらなのでしょうか?

文化的、宗教的にみても日本と単純に比較するのは愚かではないですか?
今の日本の中絶数を見てもまだ偉そうに中絶賛成を語れますか?
9才の少女のような例を救うために、日本は中絶が合法なのですよ。少女の人権を守るためです。しかし、その人権を勘違いした浅はかな理由の堕胎が多すぎるのです。生命を守るために堕胎することになった少女も、赤ちゃんを堕胎したことを背負って生きていくことにはかわりません。女性にとってすごく重い権利なのですよ。
中絶後遺症候群ってご存じですか。
中絶してから追い込まれ、自ら命を絶つことを選んでしまう女性も少なくありません。

中絶は権利です。
でも、そんなに軽い権利ですか?
胎児を、平等に?
出生前診断ってご存じですか。

望まれない妊娠を防ぐ方法もっとどうにかなればよいのにと思う気持ちは一緒です。

和江さん

30代シスジェンダー(?)ゲイ。

日本の片隅にひっそりと暮らしている。
お仕事は福祉系。


マドンナが大好き。


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