ルーズソックス哀歌

雑記
03 /16 2009
「そういやコギャルも、もう30歳なんだよな」
こんな言葉を、最近色んな人が口にしている。

今ではもうすっかり死語になってしまったけれど、
かつては女子高校生のことを「コギャル」と呼んでいた。
当時女子高生だった人たちは、確かに今30歳ぐらいだ。
そう考えると時の経つのは早い。

コギャルといったら、制服のスカート丈を極端に短くして
ルーズソックスをはいているイメージが強いと思う。
90年代の半ばに大ブームになった。

ルーズソックス

わたしは、いわゆる「ルーズソックス世代」とは少しズレている。
「ヤマンバギャル」とかが、ちょうどわたしの世代と重なるのだけど
田舎にはああいう感じの人はいなかったので、ヤマンバギャルは
あまり同世代としての親しみはないんだよなあ。
多分東京の渋谷近辺だけの、局地的な流行だったんだと思う。

そこへいくとルーズソックスの流行はすさまじくて、
当時わたしが通っていた田舎の中学でも、
みごとにみんなルーズソックスだった。
「1年生ははいちゃダメで、2年生からはいてもいい」
という生徒の間だけの独特のルールもあった。

ちなみに、これはわたしの地方独特の現象だったのかもしれないが、
中学生はルーズソックスにスニーカーで、高校生はローファーを
はいていたように思う。
高校はルーズソックスが禁止だったので、学校ではみんな白のハイソックスをはいていた。
放課後にはきかえたりする子もたくさんいたことを覚えている。

あまり大きい声ではいえない・・・・というか、恥ずかしくていいたくないのだけど、
当時田舎の中学生だったわたしにとって、テレビに出てくるコギャルたちは
憧れの存在だった。
本気でコギャルの格好がカッコいいと思っていたし、東京にはカッコいい人たちが
たくさんいるんだなあ~と、羨望の眼差しで見ていた。

それが高校生ぐらいになると、手のひらを返したように
「ギャル?ダサいよね~」みたいなことを平気でのたまっていた。
我ながらよく言ったもんだ!と思う。
多分、周りにいたオシャレな人たちが「ギャルってダサいよね」と
言っているのを敏感に察知したからだろう。

上に書いたように高校ではルーズソックスが禁止だったし、
コギャルっぽいのがダサいと思われてたこともあって、
わたしにとってはルーズソックスは中学生時代の思い出だ。
当たり前だけど、はいたことはない。
・・・・でも、密かに「一度はいてみたいな・・・・」とは思ってたけど。
同世代の男の子たちは、少なからず似たようなこと思ってたんじゃないかな。

ちなみに、当時ルーズソックスを売っていたのは、ちょっとおしゃれ目な店だった。
ダサい子には、ちょっと敷居が高いところが多かったように思う。
男の子なら経験があると思うけれど、おしゃれな店や美容院っていうのは
ちょっと入りづらいというか、恥ずかしいというか怖いというか・・・・
とにかく、入るのに勇気がいる場所なのだ。

わたしも、美容院に初めて行ったのは決死の覚悟だった。笑
今では、何であんなに怖がっていたのか理解に苦しむけどね。
男の子と話していると、みんな似たようなことを思っていたみたい。

そこへいくと、女の子は小さい頃から美容院やブティックに
行きなれているから、こんな経験はないだろう・・・・と思ってたけど
必ずしもそうではないようだ。

中学生の頃、クラスメイトにアイちゃんという女の子がいた。
彼女は、申しわけないけどあまりカワイイ方ではなく、おしゃれでもなかった。

ところがこのアイちゃん、中2の秋頃から突如おしゃれに目覚め始める。
スカートの丈を短くしたり、セーラー服のスカーフの結び方に工夫したり
ヘアピンをかわいいやつにしたり・・・・と。
でも、悪いけどみんな空振りというか、・・・・何だか痛々しく見えた。
男の子には見向きもされないし、女の子には陰でクスクス笑われているし
本人が一生懸命やればやるほど、何だかカッコ悪くなる。

まあ、わたしも人のことは笑えん。
おしゃれの第一歩って、大体みんなダサいもんだよ。

そういえば、彼女は髪はいつもお母さんと一緒に「パーマ屋さん」に
切りに行っていたというし、ルーズソックスもはいていなかった。
男子がはいているような、スポーツソックスをはいていたっけな。

制服をいじるぐらいなら簡単だったんだろうけど、やはり彼女も
美容室やおしゃれな店が苦手だったんだと思う。
ルーズソックスにも興味があったに違いない。

ある日、アイちゃんは大胆な行動に出る。

それは・・・・普通のスポーツソックスを、くしゅくしゅにしてはいてきたのだ!
これにはみんなおったまげて、冷たい視線を彼女に浴びせた。

ルーズソックスは伸ばしてはいたら、太ももまであるような長さのもので
しかもゴムを抜いたものじゃないと、サマにならない。
ふくらはぎまでしかない、ゴムのしっかり入ったスポーツソックスでは
とてもじゃないけど「ルーズソックス」にはならないのだ。

何とまあアイちゃん、スポーツソックスを足首までずらして
はいてるもんだから、まるで靴下を脱ぎかけたまま忘れてるような
何ともいえない変な格好になっちゃってた。

見かねて言ってあげたんだか、あるいはからかい半分だったのかわからないけど、
クラスで一番おしゃれでかわいいマリちゃんが
「やだぁ、アイそれってルーズのつもり?」とつっこんだ。
アイちゃんは一瞬固まって、次の瞬間
「え、ち、ちがうよぉ!!ズレてただけだから!」
といって靴下を上に伸ばし始めた。

ところがアイちゃん、あろうことかスポーツソックスのゴムを抜いていたんだよね。
「ルーズはゴム抜き」
という情報を、本人なりに解釈して自分でゴムを抜いてしまったのだろう。
伸ばしても、伸ばしても、靴下は足首までずり落ちる。

結局、アイちゃんはその日一日、「ルーズソックスもどき」で過ごした。
本人は終始辛そうだった。

彼女とは高校が別になったこともあって、その後の消息は知れない。
元気でやってくれたら、と思う。
出来たら、おしゃれな女性になっていて欲しい。
色々失敗を繰り返しつつ、みんなおしゃれの腕を磨いていくんだからね。

かくいうわたしも、恥ずかしい失敗談が腐るほどある。
本当に、記憶から抹消したいのだけど、忘れたいことほど忘れられないのが
何ともかなしいというか、辛いというか。

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和江さん

30代シスジェンダー(?)ゲイ。

日本の片隅にひっそりと暮らしている。
お仕事は福祉系。


マドンナが大好き。


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