カムアウト物語

雑記
06 /07 2008
「ザ・マーガレット2008年3月号」におもしろい漫画が載っていた。

佐藤ざくりというひとの「はつ恋」という読みきり漫画だ。

ちなみに「Otona Pink」という漫画の番外編らしい。


大学に入りたての男の子二人と、一人の女の子の奇妙な三角関係を描いた物語で、

男の子の一人はゲイという設定なのだ。

一人の男の子をめぐって、女の子とゲイが三角関係になるっていうのは少女漫画によくある設定だろう。

まあ、現実世界ではありえないお話で、多くのゲイにとっては失笑モノな作品かもしれない。

ゲイの男の子は田舎から出てきて、大学ではカムアウトしている。

サークルでも平然と自分はゲイだと公言しているんだが、サークルの先輩たち(特に男)から

からかいや嘲笑的な発言をされる。

それに対して、ゲイの男の子も笑いで答えている。

そんな彼に対し、ノンケの主人公はこう言った。

「ああいうの、笑いにするのやめろよ」


・・・・何ともはや、これはKazuccineの物語かと一瞬思ってしまったほど。

デジャヴみたいなものを感じてしまった。

別に女の子やノンケ男と三角関係におちいったなどということはないのだが、

カムアウトやそれに対する周囲の反応は似たようなものだったから。

わたし自身、自分がゲイであることをネタにしていたし、からかいには笑いで応酬していた。


わざとらしくオネエ言葉を使うこともあった。

「俺のケツは狙わんといてくれよ~」と言われれば、「優しくしてあげますから、きれいにしといて下さいね~」と

鼻にかかった声で答え、「キモイわ~」と言ってその場にいた人たちが笑う・・・・。こんなこともあったっけな。

内心「誰が貴様に欲情するか!!男も女も抱けんチンカス野郎めが!」と思ってたけどね。

セックスに関することを執拗に訊かれたり、あれやこれや下世話な質問を投げかけられたりもした。

それらには全て笑顔で答えていたけれど。


わたしの勘なんだけれど、恐らくゲイがカムアウトするためには、周囲のこういう反応は

ある程度覚悟しなきゃいけないと思う。

下世話で酷いことを言われたり、小馬鹿にされるような反応は絶対にあるはずだ。

特にノンケ男からはね。

場面によっては、哀しいかな笑いにするしかないんじゃないだろうか。

いいか悪いかは別にして、そうしないと生きていけないってのも事実だから。

笑いものにされてると思うと癪に障るが、そこは「笑わせてやってる」ぐらいの気持ちで

どーんと構えるしかないと思う。

大体、ゲイを笑いものにするような下世話な人間は他の人に対しても

ろくなことを言わないものだ。

そういうやつは陰で確実に嫌われている。

「あんなん言われて平気なん?嫌なら嫌ってはっきり言い」

と、言ってくれる人はわたしにもいたのである。

哀しいかなカッコいいノンケ男じゃなくて女の子だったけどね。(「何が哀しいかな、やねん!!」って怒られそう。苦笑)

確かにカムアウトすることは辛いことが伴うけれど、じゃあしない方がいいかといえばそんなことはない。

傷つくことを言われるのも事実だが、それをおかしいと思ってくれる人も周りには必ずいる。

カムアウトしなかったら、学生時代の素敵な友人にも絶対に出会えなかった・・・・・というか

いい関係は絶対に築けなかったと思う。

大学という開放的な環境だから出来たことかもしれないけれど、自分の人生には

すごく意味のあることだったと思う。


ただ、やはり何でもかんでも笑いのネタにしていたことは、間違っていたんじゃないか・・・・

最近ではそういうふうにも考えている。

わたしを笑い者にしてた人たちには、やはり腹に据えかねるものがあったのだ。

鬱憤を晴らすべく・・・・かどうか知らんが、後に彼らの悪口を言いふらしてしまい

それが彼らにも発覚して険悪な関係になった。

大人気なくて、よくない行動をとってしまったと反省している。

案外「ホモ野郎の性格は最低だ」っていう印象を与えてしまったかもしれない。

フランクに、ストレートに、嫌なことは嫌だって伝えていた方がよっぽど良かったと思う。

ある程度笑いに変えるしたたかさも必要。これも事実。


もし今カムアウトを考えている人がいたら、こうアドバイスするかな。

「ある程度は笑いに変えるしたたかさも必要。でも卑屈になったり、人間としての尊厳を捨てることはしちゃいけない」と。

あとは、「調子に乗って下ネタばかり言わない。のろけも度が過ぎると引かれる」ということだろうか。


カムアウトに関して考えることは人それぞれ。

ただ、わたしは本当にカムアウトしてよかったと思う。
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コメント

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日本では結構まだゲイの人受け入れられてないんだね。マリの周りでは、なのか、マリの中ではなのか分からんけど、もうあって当たり前の世界でありつつあるから、ゲイが差別受けてたりするととても心痛むんだけど、あたしがこっちで慕ってる(?)めちゃかっこいいゲイの日本人の子がいて、彼はこっちではもちろんオープンにゲイしてるんだけど、日本に帰ったら、彼曰くマリも驚くぐらい『男らしい』んだと。家族や地元の人にはカムアウトしてないし、するつもりもないかららしい。将来的に日本に帰ることがあったら、仲がよく、解りのいい友達と一緒に結婚して体外受精で子供作って、家族を築くんだ、って言ってた。彼がそう割り切らなきゃいけない、と思わせるような社会はどうにかならないんだろうか。だってそうやって築いた家庭は幸せなの?幸せじゃないけどそれがレールに沿った家庭の築き方だって、胸を張って言えるの?あーーー、課題は一杯だ・・・。

自分もKazuccineさんと同じく大学でカムアウト、そして同じ境遇に会いました。
そこでわかるのは人間の本当の姿。表面上の顔ではなくその人の持つ本当の顔。
離れていった人。より親しくなった人。いつもと変わらない人。いろいろいました。
でも自分もカムアウトしてよかったと思っています。
日本はゲイにとってまだまだ住みにくいところだけれど、
本当の自分でぶつかっていけるのってなんだか自信になります。
でもやっぱり社会に出て仕事を始めてから、もうカムアウトしなくなりました。
人が怖い人。
人って不思議な生き物ですね。

mariちゃんへ

どうなんだろうねえ?案外今の職場とかでも、カムアウトしちゃえば普通に過ごせるかもしれないし。
多分20年前、10年前と比較すると少しずつ普通の存在になりつつあると思うんだ。
でも、何かしら無言の圧力みたいなものを感じるのも事実でさ。
長い間築き上げられてきた目に見えない偏見や嫌悪感が、社会に蔓延ってると思う。
そう考えると大学っていい場所だったなあって今さらながらに思ったりして。
ゲイと家庭のあり方かあ・・・・。10代の頃はあまり考えなかったけれど、そろそろそういう年齢になってきて
リアリティのある問題にもなってきたんだよね。
Kazuccineも日々悶々としてます。

Gさんへ

現代の日本ではよくあることなのかも。
しかし、意外に「大学、専門学校でカムアウト」っていう人多いんだよね。
反応も似たようなものが多かったりして。ある程度好奇の目で見られるのは仕方ないと思う。
ある意味、人の本質を見極めることが出来る機会に恵まれたと考えれば、ゲイでよかったなと思える気持ちもあったり。

和江さん

30代シスジェンダー(?)ゲイ。

日本の片隅にひっそりと暮らしている。
お仕事は福祉系。


マドンナが大好き。


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