アントワネットとポリニャック夫人

雑記
04 /02 2011
わたしは歴史上の人物の中でも、マリー・アントワネットが大好きだ。
もちろん、これは「ベルサイユのばら」に思いっきり影響されている。

Marie

「ベルサイユのばら」でマリー・アントワネットは美女として描かれている。

日本で、「世界三大美女」っていうと「クレオパトラ、楊貴妃、小野小町」なんだけれど、
フランスでは「クレオパトラ、楊貴妃、マリー・アントワネット」らしい。

もともと「世界三大美女」っていうのは、「クレオパトラ、楊貴妃、ヘレネ(ギリシア神話のトロヤの項に出てくる)」
の三人であって、日本の小野小町やフランスのマリー・アントワネットはご当地枠みたいなものだ。

クレオパトラや楊貴妃の場合、その美しさ(というより女性としての魅力)ゆえに歴史を狂わせた人たちなので
何となくマリー・アントワネットはちがう気がする。
マリーの場合は、歴史のうずに巻き込まれた悲劇の女性っていう方がしっくりくるんだよね。
フェルセンとの道ならぬ恋とか、女としてのドラマはあるけど。

肖像画を見てもあまり「美女」って雰囲気は伝わってこない。
若い頃の肖像画はとてもかわいらしいけど、残念ながらいまいちパッとしない顔立ちだ。
「ベルサイユのばら」みたいな、光り輝く絶世の美女って雰囲気じゃない。

まあ、今と昔ではどのような顔が好まれるかもちがうだろうから、現代の日本人であるわたしと
フランス革命前後のヨーロッパの人々では感想もとうぜん異なると思う。

ちなみに、「ベルサイユのばら」の登場人物の中では実在の人も多いのだが、
「文句があったらベルサイユへいらっしゃい」のセリフで有名な「ポリニャック伯爵夫人」も実在の人だ。

肖像画を見て、わたしは驚いた。

ポリニャック伯夫人

これは文句なしに美人だ!!
現代のハリウッド女優でもじゅうぶん通用するぐらいきれいな人だ。

しかも、漫画では悪賢い意地悪な女狐として描かれていたけど、肖像画の雰囲気はやさしくて可愛らしい。
これじゃあ、マリー・アントワネットが惹かれちゃうのも仕方ないなあ。
漫画の中で「天使のようだ」と褒められてるシーンが何度もでてきたけど、たしかに天使のようだ。

ま、じっさいのポリニャック夫人は漫画以上にずるがしこくて、たくましくて、マリー・アントワネットの
寵愛をいいことに金と権力をほしいままにしていたことも、革命がはじまると一目散にフランスを逃げ出したこともすべて本当だそうだ。

一族の生命力はたくましくて、その血筋は何と!今のモナコ王室まで続いている。

漫画の中で、アントワネットが夫人に対して
「どうしてベルサイユに出ていらっしゃならないんですか?」とたずねたら、
「宮廷に出て、体面を保つだけのお金がないんです・・・・」と答えるシーンがある。
みんなが見栄のはり合いをして、本音を言わないフランスの宮廷の中で、
正直に「お金がないんです」と言えることが、アントワネットにとっては「純粋で心のきれいな人」に見えてしまった。

これは「ベルサイユのばら」の創作エピソードじゃなくて、じっさいにあったことらしい。
マリー・アントワネットは、体面や儀礼的なものを重んじるベルサイユの雰囲気がすごく窮屈に感じていたので、
正直に本音でぶつけてくるポリニャック夫人の素直さや率直さがとても居心地がよかったんだと思う。

ポリニャック伯夫人の登場で、それまでアントワネットに寵愛されていたランバル公妃は
宮廷に居場所を失ってベルサイユを去ることになる。
(ちなみに・・・・なぜか「ベルサイユのばら」ではランバル公妃は完全スルーされている)

ランバル公妃

失礼だけど、ランバル公妃も肖像画を見る限り「美人」じゃないんだよな。
とてもつつましく穏やかな性格だったらしい。
それが、アントワネットには「退屈な人」に見えてしまったのかもしれない。

「正直」「素直さ」が「純粋な心」かどうかは、何ともいえない。
「この人なら、お金を都合してくれるのではないか」っていう下心から、「お金がない」と言ったとしたらどうだろうか?
本音をぶつけてくるからといって、簡単に人を信用してはいけない・・・・のかもしれない。

いい性格と悪い性格って本当に紙一重なんだと思う。

たとえば、わたしなんかデヴィ夫人がテレビでしゃべってるのを聞くと、
よくもまあこんなに好き勝手言えるもんだよ・・・・と思いつつ、怖いもの知らずで思ったことを
何でもかんでも正直にしゃべってるデヴィ夫人が好きになっちゃうんだよね。

冷静に考えると、タブーが多い芸能界でデヴィ夫人が好き勝手言えるのは、
バックに守ってくれる人がいるから・・・・という気もするのだけど、どのコメンテーターも
似たようなことしか言えない中で、思ったことをズバズバ言うのが「正直で真摯な人」に見えてしまう。

石原慎太郎のことを「はっきりとものが言えていい」とか思っている人も同じことだ。
はっきりものを言ったら何でもいいってもんじゃない。
好き勝手言うことと、「言うべきことは言う」信念の強さはちがう。

性格っていうのは、表面に出ているものだけじゃない。

フランス革命の勃発でポリニャック夫人が亡命したあと、窮地に立たされたアントワネットのために、
外国から戻ってアントワネットを支援したのはランバル公妃だった。
彼女は革命が激しくなってからも、アントワネットのそばにいて支えつづけた。
革命の正当性を認めず、必死にアントワネットをかばったランバル公妃は、
暴徒に虐殺され、遺体はボロボロになるまで傷つけられた。

おとなしくてつつましい人が、最後まで見せてくれた勇気ある行動にアントワネットは何を思ったんだろう。

自分にとって本当に大切な人を見つけるのって難しい。

その人の、表面にあらわれないやさしさや強さをちゃんと理解してあげられるような、そんな人でありたいと思う。
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和江さん

30代シスジェンダー(?)ゲイ。

日本の片隅にひっそりと暮らしている。
お仕事は福祉系。


マドンナが大好き。


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